RO Breidablik 日記(仮)

Breidablikで活動するプレイヤーの雑感などを記録するブログです

こんばんは。一ヶ月ぶりの更新になります。
今回は特にネタがなかったので、近況についてまとめてみることにしました。
仕事の関係で相変わらず忙しく、ブログのネタになりそうな情報も集められていません。
10月も忙しくなるのは確実なので、ブログの更新もまた一月先になるかもしれません。
ROの原作紹介の記事も続きを書きたいので、何とかブログを書くリソースを捻り出せないか検討してみます。
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1. 精錬祭で精錬したアイテムの処分

精錬祭で精錬したアイテムですが、処分はほぼ終わりました。
売上の合計は、3G程度です。
仕込みに使った金額は1.6G程度だった筈なので、粗利は約1.4Gでしょう。
G単位の粗利を作ったという意味では、悪い結果ではありません。
今年の精錬祭については、反省点も多い結果に終わりました。
特に古代龍の宝冠[1]を精錬するという判断は多くの点で間違っていました。
精錬が大変だった割に安値でしか売れず、難儀しました。特に+6の物は殆ど利益が出ていません。
来年の精錬祭については、漠然と計画を練っているので、今回の反省点も含め、記事にするかもしれません。

精錬祭成果
名前 個数 購入単価 販売単価 割合(販売単価) 1個あたりの粗利 粗利小計 割合(粗利) 割合(粗利小計) 1Mあたりの利益
+7 降霊術士の手鏡[1] 2 500M 782M 25.52% 282M 564M 19.64% 39.28% 1.56
+7 聖者の冠[0] 4 60M 190M 6.20% 130M 520M 9.05% 36.21% 3.17
+7 古代龍の宝冠[1](アルカナ) 2 97M 270M 8.81% 173M 346M 12.05% 24.09% 2.78
+6 古代龍の宝冠[1](アルカナ) 2 97M 100M 3.26% 3M 6M 0.21% 0.42% 1.03

各種合計
購入単価合計 販売単価合計 粗利合計
1628M 3064M 1436M

2. 装備の更新

精錬祭で自由に使えるZenyが1G程度出来たので、いくつか買い物をしてみました。
この章では購入したアイテムとその理由、活用について検討してみます。

2.2.ゴーストリングカード挿しドレイクコート
15209

+9 ドレイクコートが値下がりしていたので、ゴーストリングカードとセットで思い切って購入してみました。コートは340M、カードは365Mでした。
イビルドルイドカードを挿した物は所有していましたが、ゴーストリングカードを挿した念属性の物も欲しかったからです。
私はGVGに参加しているのですが、耐久力が低い朧の場合、即死する場面が多く、耐久力の向上は大きな課題でした。
ゴス鎧そのものは、アインヘリヤルの鎧に挿した物を持っていたのですが、ドレイクコートのサイズ補正無効化と両立できないので、念鎧を装備すると火力が大幅に下がっていました。
こうすることで、念鎧によって、ある程度攻撃に耐えつつ、サイズ補正の無効化で火力の向上を図るという目的を両立できます。
不死属性のドレイクコートも無価値になったわけではないので、場合によって使い分けていく予定です。

2.2 +7 深淵の騎士カードx3 強撃3 風魔手裏剣・花吹雪[3]
13340

深淵の騎士を挿した花吹雪も調達しました。値段は130Mでした。
調達した理由は、主にボス狩りで使う為です。
これまでも有効であることは分かっていたのですが、購入する余裕がなく、先延ばしにしてきました。
購入後、試し切りをしてきましたがマラン島のシーラカンスなどの強めのボスでも、あっと言う間に倒すことが出来るようになりました。
聖属性のボス特化という非常に使いやすい武器なので、これからボス狩りで活用していこうと思います。

2.3 ブリュンヒルデ
2383

新攻城戦の神器であるブリュンヒルデも購入しました。価格は280Mでした。
買った理由はいくつかあるのですが、漠然と「そろそろ神器を手元に置いても良いのではないか」と思ったからです。
ROに復帰してしばらくになりますが、MVPボスの討伐はランドグリスを倒しており、最近は大きな目標というものがありません。
深淵の回廊などの未攻略のコンテンツも残っていますが、最近はあまり意欲が湧いてきません。
そういう状況なので、あとは残った目標や実績を無理やり作ろうとすると、「神器の入手」というのが視野に入ってきました。
値段はそれ程高いわけでもないので、これは一種の実績作りみたいな物です。
実際、神器を所有するユーザーはあまり多くない筈なので、実績ではあるでしょう。
この鎧はそれなりに強力なので、実用品としての価値は残っています。
ノックバック無効は現在台は代替品があるので、必須ではありませんが、あっても邪魔になる要素ではありません。
最近は情報を追えていないのですが、kROでは神器の強化についても、攻城戦の改定案の中で出ていたので、将来、上方修正される可能性もあります。
話は変わりますが、ブリュンヒルデは以前はもっと高かったと思います。記録には残していませんが、2018年ぐらいには1Gぐらいした気がします。
神器の入手ができたので、次はMVPボスカードの入手についても検討してみます。
既にイベントで配布されているアイテムもありますが、そういったものとは別に入手する予定です。
今は手元に自由に使えるZenyがないので、入手は来年になりそうですが…

3. 星帝、ソウルリーパー追加の対応

先日、星帝、ソウルリーパーがついに実装されました。
実装を記念する育成イベントも開催されているので、期間中にレベル165ぐらいまでは上げたいと思っています。
育成イベントは来週の火曜日まで開催されるので、少しずつミッションをこなせば、何とかなるでしょう。

Star Emperor&Soul Reaper | ラグナロクオンライン公式サイト

近況をまとめただけなので、今回は非常に雑然とした記事になりました。
もう少し内容のある記事も書きたいのですが、事前の調査なども必要なので、少々大変です。
ブログそのものは続けるつもりなので、更新を続ける為の時間等のリソースをどうにか捻出してみます。
もう秋になりましたし、冬も間近でしょう。
今年も3ヶ月程度しか残っていないですが、ROではハロウィンや年末のイベントも開催される筈なので、退屈することはないでしょう。

今回はここまでにします。それでは。

お久しぶりです。約2ヶ月ぶりの更新になります。
このブログは今年に入ってから、1ヶ月に1回のペースで更新してきましたが、更新のペースがだいぶ落ちてきました。
原因は7~8月に掛けて、仕事の関係で忙しかったのと、8月上旬にあった精錬祭の対応に忙しく、なかなかブログを更新できませんでした。
9~10月に掛けても、少々忙しくなりそうなので、その期間もブログを更新できるかは微妙です。
通勤の時間などを利用して、ブログの記事を書いておく事も出来なくはないです。
ただ仕事で使う参考書を読んだりする時間も必要なので、なかなか…1日20分程度、ブログを執筆するだけでも違うので、どうにか出来ないか検討してみます。
今回、精錬祭の下準備と結果を振り返り、今後どうしていくのかを記事にまとめてみました。
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1. 精錬祭の下準備

精錬祭の為、仕込んだアイテムは下記の通りです。
古代龍の宝冠が多めになっていますが、これは仕込みを行った時期に安く出回っていた為です。
今年は新型コロナウィルス感染症の流行の為、精錬祭などの季節イベントが延期されたり、深淵の回廊の期間が延長された事により、関係するアイテムが多く市場に出回りました。

購入したアイテム
名前 個数
降霊術士の手鏡[1] 2
聖者の冠 4
古代龍の宝冠[1](アルカナ) 5
古代龍の宝冠[1] 3

2. 精錬祭の結果

以下が精錬祭の結果です。
数字の単位はM単位です。1Gを超えている箇所もありましたが、編集するのが面倒だったので、すべてM単位にしています。
結果については、可もなく不可もなくといったところでしょう。
事前に準備した装備は、大体、+7にできました。
宝冠を精錬しきれなかったのは残念ですが、これは仕方がないでしょう。
古代龍の宝冠などのゲーム内で入手できる強力な装備については、精錬に必要なポイントが通常の2倍という仕様だった為、精錬するのも一苦労でした。
単価については、降霊術士の手鏡[1]が一番高いのですが、1Mあたりの投資に対する利益は2.2倍程度とそれ程高いわけではありません。
聖者の冠などは投資に対する利益は、3倍を超えていますが、単価そのものが低いため、粗利を見るとそれ程の数字ではありません。
全体とまとめると、1.7Gの投資で4G程度の資産を作りました。粗利の合計は2.3G程度だと思われます。

精錬祭成果
名前 個数 購入単価 販売単価 割合(販売単価) 1個あたりの粗利 粗利小計 割合(粗利) 割合(粗利小計) 1Mあたりの利益
+7 降霊術士の手鏡[1] 2 500M 1100M 27.71% 600M 1200M 26.73% 53.45% 2.20
+7 聖者の冠[0] 4 60M 190M 4.79% 130M 520M 5.79% 23.16% 3.17
+7 古代龍の宝冠[1](アルカナ) 3 97M 270M 6.80% 173M 519M 7.71% 23.12% 2.78
+6 古代龍の宝冠[1](アルカナ) 2 97M 100M 2.52% 3M 6M 0.13% 0.27% 1.03

各種合計
購入単価合計 販売単価合計 粗利合計
1725M 3970M 2245M

3. 結果を受けての対応

3.1 降霊術師の手鏡
28956
今回精錬したアイテムとしては、一番の高級品です。
単価は非常に高いのですが、特殊効果の発動は+8から条件が厳しい為、売り抜けるのはちょっとしんどいことになりそうです。
最悪、来年の究極精錬の時期まで、塩漬けにすることになるかもしれません。
ただ、このアイテムは値下がり気味なので、悠長なこと言わずにさっさと値下げして、処分するべきなのかもしれません。

https://rotool.gungho.jp/monster/item.php?item=28956

3.2 聖者の冠
19469
AB向けの兜です。
特別単価が高い装備というわけではありませんが、オモ録2019のキャラクターの職業別人口を確認すると、ABの割合は際立って多いので、捌きやすい装備と言えそうです。
既に190Mで1個売りました。単価はそれ程高くないのですが、程々の金額を拾うのに良い装備です。

2019年のおもしろ記録をチェック! あんなデータやこんなデータを大公開「オモ録2019」!| ラグナロクオンライン公式サイト

https://rotool.gungho.jp/monster/item.php?item=19469

3.3 古代龍の宝冠
19262
ソーサラー向けの兜です。
今年は深淵の回廊の期間が長く、多くの宝冠が市場に出回りました。
比較的単価が高い装備ですが、ソーサラー向けと需要が限られます。その為、早めに売り切って、処分をしたいです。
しかし、同様の施策を多くのユーザーが行っているであろうということを踏まえると高値売り抜けは正直厳しいかもしれません。
350M程度で売りたいと考えていましたが、最近の値下がりを考慮し、270Mで売っています。
+6の物も含め、3個売りました。

https://rotool.gungho.jp/monster/item.php?item=19262

4. Zenyの振り分け

現状、ある程度のまとまったZenyを手に入れましたが、それをすべて使うわけには行きません。
この章では、資産の割り振りについて検討してみようと思います。

4.1 来年の精錬祭の資金としてプール

Zenyの振り分けとして、真っ先に考慮するべき点でしょう。
今年の精錬祭の成果自体、1.7Gの投資の結果作ることができました。
精錬祭のイベント開催期間も新型コロナウィルス感染症の影響で、4月から7〜8月と大幅にずれました。
来年の精錬祭の予定は不明ですが、2021年4月と仮定するとあまり余裕がありません。
G単位のZenyを元手なしで作るのは、非常に難しい作業です。Zenyに変えた資産はある程度残すべきでしょう。
1.5~2G程度の資金は、投資用の資金としてプールしておきたいところです。

4.2 買いたい装備品

現状でもある程度のまとまったZenyが出来たので、買いたい装備品についても検討してみます。

4.2.1 風魔手裏剣・花吹雪[3]
13340
まず欲しいのは、+7 深淵の騎士カードx3 強撃3 風魔手裏剣・花吹雪[3]です。
ボス特化の花吹雪はまだ持っていないので、購入すれば良い効果が見込めるでしょう。
上記の条件なら、120M程度で売られているみたいなので、安値で売られていたら、買ってみることにします。

https://rotool.gungho.jp/monster/item.php?item=13340

4.2.2 名も無き剣士のブーツ
22178
次に火力強化の装備として、名も無き剣士のブーツを検討してみます。
このアイテムは現時点の相場で、+8 イグニゼム=セニア(MVP)カード 名も無き剣士のブーツ[1]が5G程度で取引されています。
現状の資産は4G程度なので、まだ手が出ません。
来年の精錬祭でも全力で投資すれば、何とか…といった感じだと思います。
現状、朧の装備で火力強化の為に交換できるのは、兜上段、兜下段、靴ぐらいです。
良い装備なのですが、これだけの資産を投入してまで買うべきなのかは、議論の余地があるでしょう。
+9 ファントムオブマスカレード[1]の値段は、3.5G程度なので、場合によってはそちらの方が良いかもしれません。
装備の更新については、また別の記事で検討する必要がありそうです。

https://rotool.gungho.jp/monster/item.php?item=22178

4.2.3 朧強化アイテムは追加されるか?

あと気になるのは、今後、朧を強化する装備は追加されるのかという点です。
去年、螺旋風魔の宝珠[1]とフロンティアブーツなど立て続けに、朧の火力が強化された為、物理朧の強化は当分ないだろうなと思っています。
ただ、何の前触れもなしに螺旋風魔の宝珠が追加された経緯を踏まえると、唐突に新装備が投入される可能性は否定できません。
個人的には、1月の仕様変更で乱華が使いにくくなったので、スキルを地面指定に戻すか、射程を伸ばす装備が欲しいです。
前者は1月の仕様変更の否定ですし、後者はレンジャーのワシの目との差別化を考えると難しいでしょう。
朧の向けの新装備の可能性は、恐らくは術忍の強化だと思われますが、物理朧の強化が来ないとも言い切れません。
追加されるとしたら、ラグ缶のアイテムとしてでしょう。
常時、500M程度のZenyは手元において、新装備の追加に備える必要はあると思っています。

5. 来年の精錬祭の仕込み

この章では、来年の精錬祭での仕込みについて検討してみます。
今年の精錬祭で苦労したのは、古代龍の宝冠です。このアイテムは精錬に必要なポイントが通常の2倍という仕様だった為、精錬するのも一苦労でした。
降霊術師の手鏡の様な単価の高いアイテムを3個ほど仕込み、残りは聖者の冠などの投資効率が良いアイテムを5個ほどを仕込むのいい塩梅な気がします。
今年の精錬祭は8月実施という事もあり、全日程での参加は厳しかったです。
来年の状況は分かりませんが、そういうリスクも含めると、多少効率が悪くても、単価の高いアイテムを中心に仕込んでおくことが無難なのかな、と漠然と考えています。

6. まとめ

つらつらと書いてきましたが、1.7Gの投資で4G程度の資産を作ったという結果そのものは悪くないと思っています。
ただ、来年の精錬祭への投資、装備の更新への貯金などを考慮すると、あまり派手な買い物はし難い状況です。
このゲームは火力の強化には高いハードルが設けられているので、それを突破するのはなかなか難しいです。
今回の結果に満足せず、次のステップをどうするべきか、模索するべきなのでしょう。

しばらく間が空いてしまいましたが、何とかブログの記事を再開できました。
ブログを更新するのは、ちょっとしんどい状況が続きそうですが、何とか更新を続けられるようにしてみます。

今回はここまでにします。それでは。

こんばんは。お久しぶりです。
前回ブログを更新したのは、5月5日のことなので1ヶ月以上、期間が空いてしまいました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事にも多少影響があり、ちょっとブログを更新することが出来ませんでした。申し訳ありません。
今回、ガンホー、グラビティの売上等の履歴を、株主向けの広報活動であるIRから過去に遡って調べた表とその中から気になった点を記事にまとめてみました。
01
実はこの様な表は以前から作っていたのですが、ガンホー、グラビティの株式上場は2005年と15年も前のことであり、表も大きくなってしまった為、これまでは紹介してきませんでした。
紹介する表に含まれる情報は、ガンホー、グラビティの公式サイトから得られるものをまとめたものに過ぎませんが、折角作ったので公開することにします。
いずれも上場企業ですし、投資家の人のブログなどで同様の記事があるかもしれません。
JROのサービスは、過去の様々な経緯を経て、現在の姿があります。過去の経緯を知ることで、現在のラグナロクオンラインがどうしてこうなったのかを知る手がかりになるのではないでしょうか。
今回は売上だけでなく、ガンホー、グラビティの来歴についても、簡単な調査を行い、記事に盛り込んでみました。
素人が片手間でやった調査なので、色々と抜けもあると思いますが、ご容赦いただけると幸いです。
過去に書いた同様の記事は、このブログの下記のカテゴリにまとめてあるので、そちらも合わせてご覧下さい。

1. 文書作成の目的

この文書は、2004~2019年度までのガンホー・オンライン・エンターテイメント、グラビティの売上の情報を整理し、紹介する目的で執筆する。
この文書内では、従来から存在するラグナロクオンラインをPC版ラグナロクオンラインと呼称する。
また、ラグナロクオンラインの知的財産を元にモバイル向けに開発されたグラビティのMMORPGをRagnarok Mと呼称し、前者と区別する。

グラビティ、ガンホー : RO Breidablik 日記(仮)

2. ガンホー・オンライン・エンターテイメント売り上げ

ガンホー・オンライン・エンターテイメント売り上げ 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
売上高 - 56億7087万2000円 68億2345万2000円 74億5140万0000円 112億4105万3000円 102億9358万7000円 92億4015万4000円
割合 - 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00%
RO関連売上高 - 46億3361万3000円 50億0333万4000円 56億7796万0000円 73億2851万1000円 77億4219万8000円 71億7637万9000円
RO関連売上高割合 - 81.71% 73.33% 76.20% 65.19% 75.21% 77.67%
パズル&ドラゴンズ関連売上高 - - - - - - -
パズル&ドラゴンズ関連売上高割合 - - - - - - -
ライセンスの支払いが占める割合(RO関連売上高) - 20.88% 33.07% 33.59% 24.92% 32.07% 31.29%

ガンホー・オンライン・エンターテイメント売り上げ 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 96億0794万7000円 258億2152万5000円 1630億6000万0000円 1730億6900万0000円 1543億2900万0000円 1124億5700万0000円 923億0600万0000円
割合 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00%
RO関連売上高 65億9219万0000円 61億4860万1000円 36億2633万3333円? 23億7033万3333円? 19億1133万3333円? 23億4533万3333円? 29億3666万6667円?
RO関連売上高割合 68.61% 23.81% 2.22%? 1.37%? 1.24%? 2.09%? 3.18%?
パズル&ドラゴンズ関連売上高 - 145億9900万0000円 1485億8400万0000円 1583億2000万0000円 1367億7900万0000円 948億3700万0000円 -
パズル&ドラゴンズ関連売上高割合 - 56.54% 91.12% 91.48% 88.63% 84.33% -
ライセンスの支払いが占める割合(RO関連売上高) 26.85% 32.91% 30.00%? 30.00%? 30.00%? 30.00%? 30.00%?
2013年以降のRO関連売上高は推定値

ガンホー・オンライン・エンターテイメント売り上げ 2018年 2019年
売上高 921億0100万0000円 1013億9200万0000円
割合 100.00% 100.00%
RO関連売上高 28億2733万3333円? 26億9366万6667円?
RO関連売上高割合 3.07%? 2.66%?
パズル&ドラゴンズ関連売上高 - -
パズル&ドラゴンズ関連売上高割合 - -
ライセンスの支払いが占める割合(RO関連売上高) 30.00%? 30.00%?

2.1 ガンホーの来歴

ガンホーの前身は1998年7月1日に発足したオンセール株式会社である。
同社は、2002年8月まで、ネットオークション事業を行っていたが、Yahoo!オークション(現ヤフオク!)などの大手オークションサイトのシェアを奪えず、2002年8月に同事業から撤退する。
当時の社長は、ヤフー株式会社の経営者である孫正義氏の弟である孫泰蔵氏である。
ポータルサイトとしてのYahoo! JAPANのサービス開始は1996年の事であり、Yahoo!オークションのサービス開始は1999年の事である。
オンセールのネットオークション事業は、兄の会社が運営するYahoo!オークションと競合する事業だった筈だが、孫泰蔵氏がこういった事情をどう考えていたのかは分からない。
同社は、2002年8月に商号を現在のガンホーに変更後、韓国のゲーム会社であるグラビティ社よりラグナロクオンラインの日本国内運営権を獲得し、PCオンラインゲーム事業を開始する。
現在のガンホーの社長である森下一喜氏は、この時にガンホーのCOO(最高執行責任者)に就任している。
ラグナロクオンラインの日本国内運営権の獲得は、森下一喜氏の主導したらしい。
孫泰蔵氏は経営者というより、同社に対する安定株主という側面が強かったようだ。

ガンホーはラグナロクオンラインの運営権獲得後、PCオンラインゲーム事業で売上を伸ばし、2005年3月9日に大証ヘラクレス市場(現・ジャスダック)に上場する。
森下一喜氏は、2004年1月に同社の代表取締役社長に就任している。
孫泰蔵氏の役職について、Wayback Machineに保存された過去のガンホーの公式サイトで調べてみたが、2006年から代表取締役会長として、孫泰蔵氏の名前が確認できる。
恐らく、森下一喜氏の代表取締役社長就任と同時に、会長職に退いたものと思われる。
以後、2016年にソフトバンクグループがガンホーの株式を売却するまで、孫泰蔵氏は代表取締役会長を務めている。
ソフトバンクによる株式の売却後、会長職を辞任し、2020年2月にはガンホーの役員も退任している。
孫泰蔵氏とガンホーの関係はここで解消されたのだろう。
ガンホーによるグラビティの子会社化の際、ガンホーにグラビティの株式を提供したのは孫泰蔵氏が代表取締役社長を務める投資会社である。
上記のような経緯を踏まえると、ガンホーのPCオンラインゲーム事業の立ち上げとグラビティの子会社化という大きな変化は、孫泰蔵氏の存在抜きには考えられず、ガンホーが今の姿になるまでの成長に同氏は大きな貢献を行ったと思われる。
2005年の上場以降、ガンホーは順調に売上を伸ばし、2008年にグラビティを買収、2012年にパズル&ドラゴンズをヒットさせ、事業の軸足をモバイルに移しつつ、現在に至っている。

2.2 ガンホーの売上概況

全体的に見て、ガンホーの売上は2005~2016年まで右肩上がりで成長している。
2017年以降は、パズル&ドラゴンズの勢いに陰りが出てきた為、売上も下がっている。
売上のピークは2014年の1730億6900万円である。
ラグナロクオンライン関連の売上は、2012年のパズル&ドラゴンズのヒットがあるまでは、全体の約7割を占めていた。
2016年までは、ガンホーの決算短信には、「事業等のリスク」という項目があり、ここでラグナロクオンライン、パズル&ドラゴンズの売上が全体の何割を占めるかが公開されていた。
2017年以降、この項目が削除された。
ガンホーはセグメント別(モバイル、PCオンラインゲーム事業等)の売上を公開していない。
その為、現在、ラグナロクオンライン、パズル&ドラゴンズ、ラグナロクマスターズといったタイトルの売上が全体に占める割合はガンホーが公開している決算短信からは読み取ることが出来ない。

2.2.1 2005~2012年までのRO関連売上高

ROとの関連で注目したいのは、グラビティ買収前後の2005~2008年の売上である。
この時期のガンホーの売上は、グラビティのそれを大きく上回っている。
2008年のガンホーの売上は112億4105万3000円だったが、同年のグラビティの売上は41億6370万円(4163万7000ドル。1ドル100円として計算)と2倍以上の開きがある。
グラビティは2005年にソフトバンク系の会社に事実上買収され、その株を2008年にガンホーが取得することで同社の子会社になった。
ガンホーがグラビティを買収した背景には、ラグナロクオンラインのライセンスを収入に依存するガンホーがグラビティを子会社にすることで、ラグナロクオンラインの日本国内運営権を確実に確保する意図があった。
ラグナロクオンラインのライセンスは有期契約であり、契約を解約された、あるいは更新がされなかった場合、ガンホーは売上の大半を失う。
2005~2010年までの間に、ラグナロクオンライン関連の売上が全体の7割を下回った時期はない。
ガンホーは2005年の株式上場から、株価も上昇し、会社としても急成長を遂げたが、その成長と価値は外部の取引先が開発した単一のタイトルに大きく依存したものである事は否めない。
こういう事情を踏まえると、ガンホーとその背後にいるソフトバンクグループが、グラビティを買収し、ラグナロクオンラインのライセンスを確実に得られるようにしたのも、もっともなことだろう。

2.2.2 ガンホー売上まとめ

ガンホーの売上の推移を見ると、2011年までは、収入の大半をラグナロクオンラインに依存した状態だった。
2012年にパズル&ドラゴンズのヒットを受け、事業の軸足をPC向けのオンラインゲームからモバイルへとシフトした。
単一のタイトルに売上の大半を依存する状態は変わらないが、これはオンラインゲームという事業の性質を考えると仕方がないのかもしれない。
そのリスクは経営陣は重々分かっているだろう。
子会社であるグラビティが開発したモバイル向けのMMORPGであるRagnarok M(日本での名称はラグナロクマスターズ)を国内でも展開するなどした背景には、タイトルの多角化を図る意図がありそうだ。
競争が激しく、時流に左右されるゲーム業界で一発屋で終わらず、二発目を成功させ、子会社が作ったMMORPGは三発目になり得るポテンシャルを秘めている。
一発屋にすらなれずに消えていく会社が多いことを考えると、時流に上手く乗って、会社を成長させてきたガンホーの経営陣の実績は高く評価されて然るべきだろう。

3. グラビティ売り上げ

グラビティ売り上げ 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
売上高 6632万3000ドル 5285万6000ドル 4404万6000ドル 4298万9000ドル 4163万7000ドル 5074万6000ドル 4772万2000ドル
売上高(日本円) 66億3230万0000円 52億8560万0000円 44億0460万0000円 42億9890万0000円 41億6370万0000円 50億7460万0000円 47億7220万0000円
割合 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00%
前年比 - 79.69% 83.33% 97.60% 96.86% 121.88% 94.04%
モバイルゲームとアプリケーションの売上高 38万7000ドル 164万8000ドル 412万9000ドル 434万2000ドル 538万9000ドル 696万8000ドル 837万4000ドル
モバイルゲームとアプリケーションの売上高(日本円) 3870万0000円 1億6480万0000円 4億1290万0000円 4億3420万0000円 5億3890万0000円 6億9680万0000円 8億3740万0000円
モバイルゲームとアプリケーションの売上高(割合) 0.58% 3.12% 9.37% 10.10% 12.94% 13.73% 17.55%
RO関連売上高 - 3700万5000ドル 2808万9000ドル 2639万2000ドル 3050万0000ドル 3738万5000ドル 3424万4000ドル
RO関連売上高(日本円) - 37億0050万0000円 28億0890万0000円 26億3920万0000円 30億5000万0000円 37億3850万0000円 34億2440万0000円
RO関連売上高割合 - 70.01% 63.77% 61.39% 73.25% 73.67% 71.76%
JROからのライセンス収入 - 967万4000ドル 1654万6000ドル 1907万4000ドル 1826万6000ドル 2483万1000ドル 2245万3000ドル
JROからのライセンス収入(日本円) - 9億6740万0000円 16億5460万0000円 19億0740万0000円 18億2660万0000円 24億8310万0000円 22億4530万0000円
JROからのライセンス収入の割合(売上高) - 18.30% 37.57% 44.37% 43.87% 48.93% 47.05%
JROからのライセンス収入の割合(RO関連売上高) - 26.14% 58.91% 72.27% 59.89% 66.42% 65.57%
2005~2007年のRO関連売上高は他のオンラインゲームの売上を合算したものである

グラビティ売り上げ 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 4961万3000ドル 5434万3000ドル 4518万8000ドル 3656万6000ドル 3049万7000ドル 4269万8000ドル 1億3267万8000ドル
売上高(日本円) 49億6130万0000円 54億3430万0000円 45億1880万0000円 36億5660万0000円 30億4970万0000円 42億6980万0000円 132億6780万0000円
割合 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00%
前年比 103.96% 109.53% 83.15% 80.92% 83.40% 140.01% 310.74%
モバイルゲームとアプリケーションの売上高 802万2000ドル 1074万4000ドル 1374万5000ドル 1380万1000ドル 1289万5000ドル 1000万3000ドル 7740万6000ドル
モバイルゲームとアプリケーションの売上高(日本円) 8億0220万0000円 10億7440万0000円 13億7450万0000円 13億8010万0000円 12億8950万0000円 10億0030万0000円 77億4060万0000円
モバイルゲームとアプリケーションの売上高(割合) 16.17% 19.77% 30.42% 37.74% 42.28% 23.43% 58.34%
RO関連売上高 3276万9000ドル 3038万6000ドル 2040万3000ドル 1465万3000ドル 1266万0000ドル 2446万1000ドル 3511万6000ドル
RO関連売上高(日本円) 32億7690万0000円 30億3860万0000円 20億4030万0000円 14億6530万0000円 12億6600万0000円 24億4610万0000円 35億1160万0000円
RO関連売上高割合 66.05% 55.92% 45.15% 40.07% 41.51% 57.29% 26.47%
JROからのライセンス収入 1926万6000ドル 2023万4000ドル 1087万9000ドル 711万1000ドル 573万4000ドル 703万6000ドル 881万0000ドル
JROからのライセンス収入(日本円) 19億2660万0000円 20億2340万0000円 10億8790万0000円 7億1110万0000円 5億7340万0000円 7億0360万0000円 8億8100万0000円
JROからのライセンス収入の割合(売上高) 38.83% 37.23% 24.07% 19.45% 18.80% 16.48% 6.64%
JROからのライセンス収入の割合(RO関連売上高) 58.79% 66.59% 53.32% 48.53% 45.29% 28.76% 25.09%

グラビティ売り上げ 2018年 2019年
売上高 2億5769万0000ドル 3億1240万1000ドル
売上高(日本円) 257億6900万0000円 312億4010万0000円
割合 100.00% 100.00%
前年比 194.22% 121.23%
モバイルゲームとアプリケーションの売上高 2億1520万3000ドル 2億6128万4000ドル
モバイルゲームとアプリケーションの売上高(日本円) 215億2030万0000円 261億2840万0000円
モバイルゲームとアプリケーションの売上高(割合) 83.51% 83.64%
RO関連売上高 2875万0000ドル 3289万8000ドル
RO関連売上高(日本円) 28億7500万0000円 32億8980万0000円
RO関連売上高割合 11.16% 10.53%
JROからのライセンス収入 848万2000ドル 808万1000ドル
JROからのライセンス収入(日本円) 8億4820万0000円 8億0810万0000円
JROからのライセンス収入の割合(売上高) 3.29% 2.59%
JROからのライセンス収入の割合(RO関連売上高) 29.50% 24.56%

3.1 グラビティの来歴

グラビティは、創業者である金学奎氏が1998年に「Gravity soft」として設立した。
金学奎氏が学生時代に作った同人ソフトサークルの名称も「Team Gravity」である為、初期のメンバーなどに繋がりがあるのかもしれない。
Wayback Machineで調べた所、「Team Gravity」の名称は、2000年のグラビティ公式サイトの社歴のページでも確認できる。
1999年にはWindows用RPGであるアークトゥルスを制作している。
このRPGは3Dのフィールドに2Dのキャラクターが動くというシステムで、一部のテクスチャなどはラグナロクオンラインにも流用されたらしい。
2000年にグラビティは李命進氏と「RAGNAROK INTO THE ABYSS」のゲーム化について契約を交わし、ラグナロクオンラインの開発を開始した。
この企画は李命進氏からの持ち込みだったらしい。韓国でのインタビュー記事によると、李命進氏はラグナロクオンラインに原作者としてだけでなく、企画、デザインの面で開発に参加していたとのことだ。
「RAGNAROK INTO THE ABYSS」の連載は、2002年6月に休載しているが、これは李命進氏がオンラインゲームの企画で多忙になったことが理由のようだ。
同氏はその後、ラグナロクオンライン2の原作も務めている。
ラグナロクオンラインの開発の開始時期については、詳しいことは分からない。
2000年9月のグラビティの求人のページで、Windowsでのネットワークプログラミングについて知識を備えたプログラマの募集を行っている。
その為、少なくとも、この時点でラグナロクオンラインの開発については確定していたものと思われる。
2000年4月の段階のグラビティの公式サイトにはそういった記述がない。2000年4~8月の期間については、Wayback Machineでもグラビティの公式サイトは保存されていなかった。
以上のことから、ラグナロクオンラインの開発開始時期は、2000年4~9月と推測できる。
ラグナロクオンラインのαテスト開始は2001年3月の事なので、半年か1年弱の期間でラグナロクオンラインのα版は制作されたことになる。
また2001年3月のグラビティの公式サイトの会社紹介のページで、スタッフの一覧が確認できる。
今現在、こういう情報を公開すると色々と差し障りがありそうだが、当時と今では事情も違い、そういった情報を公開する事に抵抗はなかったのだろう。

gravity

company info

このスタッフ一覧によると、当時のグラビティには、開発1チーム、開発2チームの2つの開発チームが存在した事が分かる。
開発1チームの人数は5名、開発2チームの人数は9名である。
推測になるが、2つのチームに分かれて、ラグナロクオンラインのクライアント、サーバプログラムの開発を行っていたのではないだろうか。
この様な状況を整理すると、ラグナロクオンラインの基礎となるシステムは、非常に限られた人員と期間で行われていたことが分かる。
比較の為紹介するが、同じ時期に開発されたMMORPGであるファイナルファンタジーXIは、150人以上の開発者が2年掛けて開発を行ったらしい。サービス開始までのコストは開発費だけで30億円、通信、サーバ等のインフラにも30億円のコストが掛かっている。
ソフトウェア開発は、頭数が多ければ、優れたシステムが出来るというものではない。しかし、マップやモンスターなどのコンテンツの部分はマンパワーが要求され、コストによる差が顕著に現れる。
ラグナロクオンラインは、当初、色々と作りの甘さを指摘する声があったが、こういう組織の体制や開発期間を考慮すると、話は全く違ってくるのではないだろうか。
2020年現在であれば、ネットワークゲームの開発のノウハウなどが書かれた参考書が多く出版されているが、2000年当時はそういった情報は遥かに少なかった筈だ。
ウルティマオンラインやエバークエストといった先行した事例が海外にあったとはいえ、MMORPGそのものが黎明期だった事を踏まえると、情報の入手などは難しかっただろう。
グラビティは、14人程度の開発チームが半年から1年の時間で、スキル等は未実装だがゲームをユーザーに提示できるα版まで形にした。
その後、α版からスキル等々のシステムを肉付けしたβ版、その後、正式サービス開始まで漕ぎ着けている。
2000年代初頭、JROの運営には様々な問題があり、それを指摘する記事は現在でもWebに残っている。
その指摘の内容には、サーバが不安定でゲームに支障がある、精錬にバグがあり、異常に強いキャラクターが作れてしまう、BOT、DUPE、チートが蔓延しているという物があった。
そういう問題は確かに存在したが、開発の体制や投入されたリソースを考えると、問題に適切に対処できなかったのも仕方がない気がする。
恐らく、FF11の様なタイトルと比較することは適当ではないだろう。投入されたリソースが違いすぎるので、サービスの質に差が出るのは当然の成り行きだ。
こういった事情は内輪の話であって、一般のユーザーには関係がないという指摘は当然あると思うが、限られたリソースを考えると良く健闘したと見るべきだろう。
JROには、長い間、BOTの蔓延が放置されたという問題もあるが、それはガンホーがラグナロクオンラインの運営権を取得して以降の話であるので、また別の話である。
2020年現在、JROの根本的なシステムが当時と変わっているとは思えない。
この開発チームは限られたリソースで、20年の長きに渡り、サービスが継続しているシステムの基礎を作った。
その仕事の成果は、現在の効果を継続している。当時のグラビティ開発チームの手腕は高く評価されて叱るべきだろう。
余談だが、2005年のグラビティの年次報告書によると、2003年当時の従業員は251人(開発者225人)、2004年は399人(開発者357人)、2005年は507人(開発者443人)と大幅に増加している。
2002年2月にサムスン電子との間に投資に関する契約を結んだらしいので、それ以降、従業員の採用に必要な資金が調達できたのだろう。
2001年11月29日、日本でラグナロクオンラインのβ1テストが開始され、ここからJROの歴史が始まる。
2002年7月にガンホーとの間に日本国内での独占配信、販売権の契約を結ぶ。
その後、2002年8月に韓国でKROの正式サービス開始、2002年12月のJRO正式サービス開始、2003年4月の北米でのIROの正式サービスを開始を経て、グラビティは2005年2月に米国のNASDAQ市場に上場を果たす。
その後、経営者の交代などの人事の異動があり、2005年8月にソフトバンクグループの企業に400億円で事実上買収される。
2008年にガンホー代表取締役会長の孫泰蔵氏が代表取締役社長を務める投資会社から、ガンホーが株式を取得し、グラビティを子会社化した。
その後、ラグナロクオンライン2、レクイエムオンライン等のオンラインゲームを手掛けるが、ラグナロクオンラインに変わる収益の柱とする事は出来なかった。
同社の売上は2004年をピークに長い間低迷を続けるが、2017年にRagnarok M(日本での名称はラグナロクマスターズ)のリリース後、これをヒットさせる。
2017年には売上を1億3267万8000ドル(2004年の売上は6632万3000ドル)に伸ばし、2018年には2億5769万ドル、2019年には3億1240万1000ドルと売上を順調に伸ばし、快進撃を続け、現在に至っている。

3.2 2004~2019年までの売上

グラビティの過去の売上を見ると、長い間、2004年がピークで2017年までは長い低迷が続いていた。
これはラグナロクオンラインに続くタイトルを出せなかったことが原因だろう。
ラグナロクオンラインのオープンβテストが行われた2001年は、競合となるタイトルが少なく、ラグナロクオンラインは大きなヒットを飛ばすことが出来た。
しかし、それ以降は競合となるタイトルも増え、ネットゲームの普及期を過ぎて、ユーザーの目も肥えたことも影響したのか、長い間、後継となるタイトルを生み出すことが出来なかった。
この長い低迷を抜けるには、モバイル向けのMMORPGであるRagnarok Mのサービスが開始する2017年まで待たなければならなかった。
グラビティはラグナロクオンラインという過去の遺産に、売上のかなりの割合を依存する状態が続いていたが、2017年以降はRagnarok M関連の売上を伸ばし、PCオンラインゲームからモバイルへと売上をシフトすることに成功している。

3.3 JROライセンス収入への依存、ガンホー・オンライン・エンターテイメントとの売上の逆転現象

2006~2007年までの数字は注目に値する
この時期のグラビティの売上の60~70%がラグナロクオンライン関連であるが、その内訳を見るとJROからのライセンス収入が占める割合が非常に高い。
2007年には、JROからのライセンス収入は売上高全体の44.37%、ラグナロクオンライン関連売上高全体の72.27%を占めている。
ガンホーという単一の取引先に、売上の40%以上を占める状態は、2010年まで続いている。
またガンホーとの売上の逆転現象も2005年から続いている。
ガンホーはライセンシーである為、売上の一部を払えば、ラグナロクオンラインのサービスを運営できる。
具体的な数字は不明だが、JROの売上がガンホーの決算短信で確認できる2012年までの間、グラビティに支払われたライセンス料は大体30%程度である。
上記の表は1ドル100円で計算しているので、実際には為替相場の影響などで若干数字が前後している筈だ。
会社の売上の内、特許などの知的財産の貢献は全体の25%程度と評価する経験則があるらしい(ルール・オブ・サム法)。
ラグナロクオンラインのライセンス料の割合も、30%程度なので、この評価法を適応しているものと推測できる。
その為、ラグナロクオンライン関連の売上が幾らになろうと、ガンホーはグラビティに売上の30%程度の金額を支払えばいい。
日本は韓国に比べ、ゲーム市場の規模も大きく、ネットゲームの普及期にラグナロクオンラインを投入したことで多くの売上を上げることが出来た。
その反面、グラビティが自社で提供しているラグナロクオンラインのサービスは、韓国と北米のみという状況が長く続いた為、ガンホーに売上を逆転されるという現象を招いた。

この売上の逆転が、ガンホーによるグラビティの買収の背景になったことは明らかだ。
日本でのラグナロクオンラインの展開を他社に任せず、自社で現地法人を作って、サービスを展開していれば、買収されなかったと考えることも可能だが、それは後知恵だろう。
3.1で書いた通り、2001年当時のグラビティは、開発者30人程度の中小のソフトハウスであったと推測できる。
ネットゲームの開発と運営は別の話で、ゲームは実用的な製品と違い、感性に訴える比重が高い。
その為、サービスを展開する地域の文化、感覚、事情に精通している人間が指揮を執る必要があるが、それは現地の人間でないと難しいのではないだろうか。
それを自社でやるのであれば、韓国、日本の双方の文化、商習慣、法規制などを理解し、日韓双方の組織の間を仲立ちできる人間が必要になるだろうが、そういった高度な能力を持つ人材を調達することは、2001年当時のグラビティには困難だったと思われる。
そもそも、海外へのゲーム企業の進出は難しい。日本でもミクシィやGREEが自社のタイトルを海外に展開したことがあったが、ミクシィのモンスターストライクの北米版の提供が2017年に終了するなど、いずれも成功したとは言い難い。
2001年当時のグラビティと比較して、資金面など遥かに有利な条件で望んだ日本のソーシャルゲーム会社でもこの様な結果に終わったことを踏まえると、グラビティが取れる選択肢は、自社のタイトルの海外進出を現地の会社に任せ、売上の3割程度をライセンス料として得るという方法しかなかったのではないだろうか。
また理屈の上では、ガンホーに買収される前に他のライセンシーにラグナロクオンラインのライセンスを付与したり、自社でサービスを提供する体制に切り替えることでガンホーに買収されるというシナリオを回避できたかもしれない。
ただ、ラグナロクオンラインはMMORPGというジャンルのゲームであることを踏まえると、それも難しいと思われる。
MMORPGはキャラクターのレベルや装備などのゲーム内資産が、ユーザー体験の質を左右している。
ガンホー以外の会社にライセンスを付与する、あるいは自社でサービスを提供するのであれば、キャラクターやアイテムなどのユーザー情報の引き継ぎはスムーズな移行に必須だろう。
しかし、その様な動きをグラビティが見せた場合、売上の大半をラグナロクオンラインに依存するガンホーが積極的に協力するとは考えにくく、年単位の時間を掛けて築いたゲーム内資産の引き継ぎがされないのであれば、ユーザーからの支持も得られないだろう。
そういう思い切った手を打った後、売上が維持できたかは正直疑問の残るところで、下手な始末をすると収入の40%を占めるJROのサービスを殺し、得るものが何もないという結果に終わりかねない。
JROからのライセンス収入に売上の40%以上を頼る状況で、そういった動きを強引に進める事はあまりにリスクが高く、現実的には難しかったのではないだろうか。

2007年当時、ガンホーは売上の75%程度をラグナロクオンラインというタイトルに依存し、グラビティは売上の43%程度をガンホーという一つのライセンシーに頼っていた。
またラグナロクオンラインはサービスの展開地域こそ、東アジア、北米、欧州、南米と幅広いが、売上という実体で評価すると東アジアの日中韓の三カ国の売上が全体の80%を占めている。この状況は2000年代初頭から現在まで変わっていない。
東アジアの以外の地域からライセンス収入が上がっていれば、また話は違ったかもしれない。
余談だが、2019年度のグラビティのRagnarok Mなどのモバイル関連の地域別の売上は、東アジアは25%程度、その他の地域の合計が75%程度である。
この様な状況を踏まえると、当事者の思いがどうであれ、ガンホーとグラビティは一蓮托生の関係にあったと言っても過言ではないだろう。
相互に依存し合った関係を踏まえると、2008年のガンホーによるグラビティの子会社化がなくても、何らかの形で両社が一体の存在となる事は避けられなかったのではないだろうか。

3.4 グラビティ売上まとめ

グラビティは、株式の上場以来、長い間低迷が続き、ラグナロクオンラインという過去の遺産に依存した状態が続いていた。
2017年にRagnarok Mというヒット作によって、その状態から抜け出した。
単一のタイトルに収入の大半を依存する状態は変わらないが、これは親会社のガンホーも同じである。
グラビティは、今後、ラグナロクオンラインの知的財産を活用したRagnarok ORIGIN、Ragnarok X:Next Generationといった新タイトルのMMORPGをリリースするらしい。
Ragnarok Mと競合するサービスになると思うのだが、どう棲み分けていくつもりなのかは、今後、明らかになるだろう。

4. ユーザー一人あたりの売上

JROのユーザー一人当たりの売上 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
JROのユーザー一人当たりの売上 - 6万2828円 6万4102円 9万1876円 12万5982円 14万7232円 16万3587円
JROユーザー数 - 73,751 78,053 61,800 58,171 52,585 43,869

JROのユーザー一人当たりの売上 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
JROのユーザー一人当たりの売上 18万4085円 19万0536円 18万5519円 14万0915円 12万8502円 17万8149円 26万0944円
JROユーザー数 38,984 32,270 19,547 16,821 14,874 13,165 11,254

JROのユーザー一人当たりの売上 2018年 2019年
JROのユーザー一人当たりの売上 28万8356円 29万4261円
JROユーザー数 9,805 9,154

4.1 1年間の接続料金

現在、ラグナロクオンラインの接続料金は30日で1500円である。
1年間の接続料金は、単純計算で18000円になる。
ユーザー一人当たりの売上には、この数字も含まれる為、ラグ缶等の売上を推測する場合、考慮する必要がある。s

4.2 課金アイテムの開始時期

パッケージ版の提供は、2003年に行われたものが最初だと思われる。
アイテムチケットをパッケージ版に含める試みは、恐らく、2005年12月発売の「ラグナロクオンライン プレミアムパッケージ~古く青い箱パック~」が最初の例になるだろう。
いわゆるガチャの提供は、2006年6月のガンホーオンラインショップで提供されたガンくじからだと思われる。

『ラグナロクオンライン』パッケージ版発売!プレイチケットやスペシャルブックを同梱 - 電撃オンライン

2003/11/11 20:40:05 / 「ラグナロクオンライン」のコンビニ販売パッケージがリニューアル

ガンホー、MMORPG「ラグナロクオンライン」、3周年記念パッケージ発売。新頭装備のアイテムチケット同梱

「ガンホーオンラインショップ」本日4月24日リニューアルオープン

4.3 ユーザー数は減少しているが、一人当たりの売上は増加傾向

2005年のユーザー一人当たりの売上は6万円前後だが、当時からアイテムチケットを目当てにパッケージを複数購入した人がいたのだろう。
時間の経過とともに、ラグナロクオンラインのユーザー数は緩やかに減っているが、一人当たりの売上は上昇している。
これはラグ缶などのガチャで売上を伸ばしたものと思われる。2014年以降、究極精錬という一定額を課金すれば、ペナルティ無しで精錬を試みることが出来るイベントの開催なども行っている為、その売上も含まれるだろう。
ユーザー一人当たりの売上が上昇している背景は、そういったガンホーからの試みに加え、ユーザーの平均年齢と年収が上昇し、一人当たりの可処分所得が増えたことも要因と考えられる。
現在のラグナロクオンラインは、昔からのユーザーか、一旦引退したユーザーが復帰したというユーザーが占める割合が恐らく高い。
具体的な数字はガンホーにしか分からないだろうが、PC向けのレガシーなMMORPGに10代の若いユーザーが殺到するという状況は考えにくい。
2019年の一人当たりの売上は、29万円程度である。この数字から接続料金を引いて、毎月の課金額は2万3000円程度になるだろう。
この数字なら何とか成り立ちそうではあるが、これはあくまでも平均である。
ネットゲームのユーザーの課金額の分布は、毎月1万円以上の課金をするのは全体の20%という調査結果もある。
ラグナロクオンラインでも、毎月の接続料金だけ課金し、ラグ缶などは引かないというユーザーもそれなりのボリュームを占めるだろう。
その為、これ以上、一人当たりの売上を伸ばすことは難しいかもしれない。

5. まとめ

今回、ガンホー、グラビティの過去の売上、来歴等について、調査記事をまとめた。
ラグナロクオンラインの開発は2000年に行われているので、既に20年も前のことである。
その為、既にWeb上から失われている情報やGoogle等の検索エンジンでは簡単に調べられない記事も多く、一部は推測による記述としなければならなかった。
こういった過去の経緯は、何もせずにいるといずれ失われる可能性がある。
2000年当初、ラグナロクオンラインのファンサイトは、ジオシティーズなどの無料のホスティングサーバで運営されている事が多かったが、インターネット上のコミュニケーションに使われるサービスの変遷により、これらのサービスは採算が取れなくなり、サービスの終了、閉鎖が相次いでいる。
ビジネス向けメディアの記事などについても、採算面で苦境に立っているサービスも多いそうなので、情報が失われる可能性はゼロではない。
ラグナロクオンラインの現在は、過去の様々な経緯を経た上の姿である。
この様な情報を整理することで、現在のラグナロクオンラインの姿を正確に認識し、未来への姿を考える材料を提供できれば幸いである。

今回の記事は以上です。少し長々とした記事になってしまいました。
グラビティの来歴の記事などは筆が滑りすぎたかもしれません。ただ、上でも書いた通り、過去の経緯を知ることで現在のJROの状態をより知ることが出来るのではないでしょうか。
ちょっと堅苦し記事が続いてしまったので、次回はもっと軽めの記事を投稿してみます。

今回はここまでします。それでは。

参考資料
ガンホー・オンライン・エンターテイメント - Wikipedia

沿革|ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社

孫泰蔵 - Wikipedia

森下一喜 - Wikipedia

森下 一喜さん-プロ論。-/リクナビNEXT[転職サイト]

ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | ゲーム・エンタメ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

Wayback Machine

ウェイバックマシン - Wikipedia

ソフトバンク、ガンホー株の9割売却へ 730億円で  :日本経済新聞

ガンホーの孫泰蔵氏、会長職を退任へ 本人が希望:朝日新聞デジタル

【人事】孫泰蔵氏、ガンホー役員を退任 田中晋氏の社外取締役就任が内定 | Social Game Info

ガンホー、韓国Gravityを子会社化。「ラグナロクオンライン」シリーズのライセンスを確保

Gravityをソフトバンク系企業が,400億円で事実上の買収

GRAVITY OFFICIAL - | ABOUT GRAVITY | Company Information

金学奎 - Wikipedia

グラビティ (ゲーム会社) - Wikipedia

ラグナロク (漫画) - Wikipedia

李命進 - Wikipedia

日本のラグナロクオンライン - Wikipedia

ウェブ文化から見たラグナロクオンラインの歴史 < 佐倉葉ウェブ文化研究室

ラグナロクの歴史

JANOG12- Special session in N+I 2003

FF11 - ファイナルファンタジーXI 最新情報

スマホゲーム市場、8.9%増の1兆290億円に拡大、30代・40代の平均課金額は月4,324円:MONEYzine:資産運用とお金のこと、もっと身近に

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