こんばんは。自分がプレイしているネットゲームが今後発展していくのか、それとも停滞するのかが気になるというのは、展開されているプラットフォームに関係なく、どんなタイトルのプレイヤーでも変わらないと思います。
ソーシャルゲームなどは下手をしたら、サービス開始から数ヶ月で容赦なくサービスが打ち切られたりするので、多額の課金などをしていると目にも当てられません。
話をROに戻しますが、正直、このタイトルには私は愛着があります。直近では2015年末に復帰してから、1年以上、ROとは付き合ってきました。
ROとの付き合いは今後もしばらくは続くと思うのですが、付き合いを続ける以上は気になるのがROの現在と未来です。
ちょっと考えてみたのですが、ROのユニークユーザー数が、今後、2倍、3倍に増えて、元の活気を取り戻すという事は正直難しいと思います。
私の考えを箇条書きにして要約すると以下のような感じになります。

1.ROはパソコンとWindowsという特定のデバイスとそのOSに依存したサービスになっていて、様々なデバイスでサービスを展開する事は難しい。今となっては、時代から取り残されたレガシーなサービスになっている
 
2.ROはMMORPGとして見ても、レガシーな物になっている。パソコン向けのMMORPGをプレイするユーザーが一定数いるにしても月額課金制でレガシーなMMORPGに人を呼び込むのは難しい

この要約を元に私の考えを記事にまとめました。長くなりましたがお付き合いいただければ幸いです。

1.ROはパソコンとWindowsという特定のデバイスとそのOSに依存したサービスになっていて、様々なデバイスでサービスを展開する事は難しい。今となっては、時代から取り残されたレガシーなサービスになっている

まずは運営がどうこうといった以前の問題として、ROのプレイヤーになり得る層が、一般消費者のパソコンからスマートフォンへのシフトで縮小しているだろうという事があります。
「平成28年版 情報通信白書」の「情報通信端末の世帯保有率の推移」のグラフを見ると、パソコンの世帯保有率は2009年の87.2%を頂点に2015年度は76.8%に縮小する一方、スマートフォンの世帯保有率は2010年の9.7%から2015年は72%と大幅に伸びています。
インターネットに接続し、様々なサービスを利用するデバイスとして、既にパソコンは唯一の選択肢ではなくなって久しく、その一方でスマートフォンは時と場所を選ばずに利用できる利便性から広く普及しています。
一般消費者にとって、インターネットに接続してサービスを受けるデバイスとしてのパソコンの魅力は相対的に低下しており、世帯保有率の推移にもそれが現れています。
パソコンを保有する人が減っているという事は、潜在的にROのユーザーになり得る人間のボリュームが縮小していると捉えて良いと思います。ROのユーザーになり得る人とは、パソコンを所有するか、ネットカフェなどに出向き、そうして日常的にパソコンに接することが出来、かつ、その前に数時間座る事の出来る人に限られるわけですが、そのような人々のボリュームは技術の進展によって縮小しています。
クライアントが2001年にマウスとキーボードで操作するWindows向けのソフトウェアとして作られたROにとっては深刻な状況です。
ROのサービスを例えばスマートフォンなどの様々なデバイスで利用できるようにする事は恐らくは技術的な困難も予想されるし、採算が合わないでしょう。
はっきり言えば、そういった事が出来る資本があるのなら、全くの0から新しいゲームを作った方が良いでしょう。2001年にパソコン向けMMORPGとして作られたROは、あらゆる仕様がパソコンで長時間プレイするMMOであるという前提で作られているので、それに手を加えても新しい価値を生み出す事は困難だと思います。
最近はインターネットに接続するデバイスのOSのシェアでAndroidがWindowsを上回ったという報道もあり、この傾向は今後も続くだろうという事を考えると、サービスを利用するためにパソコンの利用を前提としなければならないROに人を呼び込むことは困難が予想されます。

総務省|平成28年版 情報通信白書|インターネットの普及状況

もうMMORPGに多数のユーザーが集まるような時代ではないと思うので、ROも小ぢんまりとした一種のコミュニティサービスとして、今後も運営を続けていくのが無難かなと個人的には思っています。
ROについては、過去に行ったインフラへの投資で運用コストも削減できている筈なので、そこそこのユニークユーザー数を確保して、ラグ缶やパッケージを追加で販売していけばサービスは維持できるのではないでしょうか。
詳しく知らないのですが、kROは既に基本無料で遊べるようになっているらしいです。昔、有料だったMMORPGが基本無料、アイテム課金制に移行した例は結構ある様です。この事についてはあとでまた触れます。
昔からROの事をアバター付きのチャットツールと揶揄する声はあったのですが、昔はBOTがいるにしても、ユニークユーザー数も多い非常に活気にあるコミュニティであったと思います。
総務省の統計を見ても、日本の世帯あたりのインターネット普及率も2000年(平成12年)以降、一気に伸びているので非常に良い時期に投入できたタイトルではありました。
2004年ぐらいにmixiなどのSNSが普及する以前は、インターネット普及率が急速に伸びているにも関わらず大規模なコミュニティがネット上に成立しづらい時期が続いたので、そういう需要をすくい取る形で成長したのかなと振り返ってみると感じます。
ROのユーザー数が最盛期を迎えた2004年頃はインターネット上のサービスは文字媒体中心の物で、映像によるリッチな表現を伴った世界を共有できるMMORPGは相当な魅力がありました。
しかし、2004年以降はオープンなSNSがそういった需要を満たせるようになり、かつ、画像や動画を含めた多様な情報を配信し、共有できる環境が整った事でMMORPGの魅力は相対的に低下したと見るべきだと思います。
ネット上で閉じたコミュニティを作るというのは、Facebookの様なSNSもそうなのですが、収益を上げるため、また「ユーザー間の交流」がサービスの根幹にある以上、非常に多くのユーザーを集める必要があります。数千人のユーザーが一度にゲームに接続するとクライアントの動作が非常に重くなり、それを回避するためにサーバーを分けてサービスを提供しなければならない(しかもサーバをまたいだ交流は基本的にできない)MMORPGにはこの種のサービスを提供することは不可能と見るべきでしょう。
様々なサービスがユーザーの可処分時間を奪い合う現代において、サーバ内に閉じた世界を作り、その中でしか交流を行えないMMORPGに対するニーズはニッチな物に留まるでしょう。
MMORPGの強みは専用クライアントを使ったリッチな表現であり、マップの作り込みなどは相当な労力が必要なため、直接の競合になりうるアバター付きのチャットツールなどにそう簡単に追いつけるものではありません。
上記に書いたように特定の環境に依存したクライアントでしか利用できないというのはリスクもあるのですが、そうであるが故に他のサービスには容易には真似出来ないリッチな表現も可能である事も事実です。
そういった強みを活かし、他のサービスでは拾えないニッチなニーズを掴んでいく事がこれからのROの存続に必要だと思います。

4Gamer.net: 2004/06/14 19:10:15 / MMORPG「ラグナロクオンライン」の同時接続者数が10万人を突破

お客様事例:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様 | HPE 日本

インターネット普及率の推移 - 総務省

2.ROはMMORPGとして見ても、レガシーな物になっている。パソコン向けのMMORPGをプレイするユーザーが一定数いるにしても月額課金制でレガシーなMMORPGに人を呼び込むのは難しい

MMORPGとしてのROについてですが、既にシステム、ゲーム性、見た目ともに非常にレガシーな物になってしまっている事は否定できません。これは時代の変化もあり、グラビティやガンホーにはどうしようもない事でしょう。
そもそもROは初期の仕様を考えると、10年以上の長きに渡り、アップデートを続けられるような設計にはなっていなかったと思います。
結果として、2002年の正式サービス開始から10年以上もサービスは続いているのですが、2006年にROの続編も作られ、そういった後発のタイトルが軌道に乗るまでの過渡期のタイトルとして、ROは開発会社、運営会社から見られていた節があります。
こんなにも長くサービスが継続するとはROの仕様を考えた人々は考えていなかったでしょうし、その事は責められません。
根本的な仕様が古くなっている以上、それを土台に新しい物を築くのは無理があります。ROの現状は非常にレガシーなMMORPGですし、これを変える事は極めて難しいでしょう。
新しいユーザー体験を提供できない以上、集客には限界があると思います。 
以前も記事に書きましたがゲームの仕様を大幅に変更したリニューアル(R化、RR化)をガンホーも過去に試みましたが、結果として仕様変更以後に新規のユーザーを獲得する以上に元々のユーザーがゲームから離脱する結果となり、大幅にユーザーを減らす結果に終わりました。過去のリニューアルは客観的に評価すると失敗に終わったと言わざるを得ません。
レガシーなゲームをリニューアルによって盛り上げるというのは、根本的な設計などが古くなっているROでは今後も非常に厳しいものがあるでしょう。
それに加え、今は基本プレイが無料であるMMORPGも多数あり、そういった中で最新のゲームでもないのに月額課金が必要なROを敢えて選択するプレーヤーは少ないのではないでしょうか。
2004年ぐらいまでは、ライトな見た目を持つMMORPGとしてROは非常に強力なタイトルでしたが、今は競合するタイトルが多数あるのでその中から月額課金制のROを選んでもらうのは正直厳しいものがあると思います。
キャラクターやモンスターのグラフィックは今でも素晴らしいとは思います。しかし、キャラクターの顔をキャラメイクで弄れない、装備が服装に反映される要素に制限があるなど、システム面を含めて表現に制約があり、競合となる新規のタイトルと比べ、時代に取り残されている面は否めません。
ROが月額課金制を続けている理由は、単純に毎月入ってくる収入を断つ理由がガンホーにないからでしょうし、それは現状では妥当な判断だと思います。
基本無料、アイテム課金制に移行しても、何らかの形で運営に必要なお金をユーザーから回収する必要がある以上、それがすべての特効薬になるとは思えません。
まさか運営会社にユーザーに無料で奉仕する事を要求することは出来ないでしょう。月額課金制が一種の障壁となり、ユーザーの最低限の質を担保する防波堤になっているという意見もあります。
一方で月額課金制が、既にシステム、ゲーム性、見た目ともに非常にレガシーな物になってしまっているROのユーザー数の増加への壁となっている面はあると思います。
上記のような状況を勘案すると、現状を維持する限り、ROにユーザーを大規模に集める事は出来ないと思います。
基本無料、アイテム課金制に移行すれば、一時的にユーザーは増えるかもしれませんが、それが成功するかどうかは実際にやってみないと分かりません。
他のタイトルでは基本無料でも、実質的に課金が必要でユーザーからの評価が非常に低いタイトルも見受けられるようです。
基本無料、アイテム課金制は、とどのつまりアイテム課金を行うユーザーにすべての負担を要求する仕組みであり、課金するユーザーには相応の見返りがないとそれを要求できません。
それに伴う仕様変更や課金アイテムの調整の匙加減次第では、ゲーム内のそれまでのバランスを無にするような事にもなりかねず、過去のリニューアルの様に既存のユーザーからそっぽを向かれ、ゲームの寿命を更に縮めてしまう可能性は否定できません。
今のROには、そのような冒険を行うだけの体力が残っているのかは個人的に疑問です。
そういった事情を勘案すると、ROのユーザー数は最良の形でも微増に留まるか、良くて、今後も横ばいを続けるか、あるいは今以上に減っていくかのどれかだと私は思います。
基本無料、アイテム課金制は現状のユーザーが更に急減し、最早、それ以外にユーザー数を回復させる手立てがない場合の選択肢として残るのではないでしょうか。上記に書いた通り、これも簡単に行くとはなかなか思えないのですが。

色々と書いてきましたが、私は決してROが嫌いなわけではありません。嫌いなら復帰してから、1年以上もプレイし続ける事は無かったと思います。
何を分かりきった事をしたり顔で書いているのだと思われる方もいるかもしれません。実際、陳腐な事を書いているとは私も思います。
しかし、ROとの関わり方を考えるに辺り、そのサービスの継続に影を落とす、ネガティブな要素についても考えないわけにはいかないので上記のような事を書きました。
今後、このような現状認識の元で更に記事を追加するかもしれません。
散々な事を書いてきたかもしれませんが、少なくともしばらくの間はROを止めるつもりはありません。
上記のような事柄を頭の隅に置きつつ、ROとの関わりを続けていこうと思います。
今回はここまでにします。それでは。