こんばんは。8月29日に2017年9月のアップデート情報が発表されました。それによると、7月に終わった深淵の回廊が早くも再実施されるとの事で、正直、意外な感じがしました。

2017年9月のイベント&ミニアップデート情報| ラグナロクオンライン公式サイト

この施策については、ユーザーの間で否定的な意見も出ているようです。主な内容は短期間のイベント実施により、イベントで手に入るアイテムが暴落するといったものです。
深淵の回廊で手に入るアイテムがある程度高価だったのは、不定期に開催されるイベントでしか入手ができない点にあったので、こういった批判が出てくるのも仕方がないと思います。
このイベントが短期間で再実施された詳細な背景は不明ですが、個人的にドラム族やアメリカをテーマにしたローカルマップであるROCKRIDGE、ロビーワールドの実装までのつなぎではないかと想像しています。
ROの運営チームも既存のユーザーをつなぎとめる事に必死なのだと思います。ガンホーがグラビティに対して支払っているライセンス料はグラビティのIRから知る事が出来るのですが、この数字を見るとユーザー数の減少とほぼ同じ割合でライセンス料が減っています。
恐らく、ROのロイヤルティ率は変化がないと思われるので、ガンホーがグラビティに対して支払っているライセンス料が減っているということは、ROの売り上げはユーザー数の減少と比例して下がっているものと思われます。この事については、過去に記事にしました。

ガンホーが運営するMMORPGであるエミル・クロニクル・オンラインのサービス終了が8月31日に迫っていることと日本のラグナロクオンラインの売上に関する考察 : RO Breidablik 日記(仮)

今のROに新規のユーザーを集める施策というのは、正直な話、思いつきません。新規のユーザーを獲得することが難しい以上、ROの運営チームに残された手は既存のユーザーのつなぎとめであり、イベントを絶え間なく実施して隙間の時間を作らない事ではないかと思います。
そうなると隙間の時間を埋めるために既存のイベントを再実施するという施策も仕方がない気がします。
ドラム族やロビーワールドの様なアップデートを随時実施していけるなのなら、それが一番いい気がしますが、短期間で終わるイベントと違い、恒久的に残るアップデートについては実装に慎重にならざるを得ないので、時間とコストが掛かると思います。
現在のROの課題は新規のユーザーを増やし、ユーザーの減少傾向に歯止めをかける事だと思いますが、後者はともかく、前者については厳しいと思います。
PC版ラグナロクオンラインよりも、中国で開発が進められているラグナロクオンラインモバイルこと仙境伝説に期待を寄せるべきかもしれません。クライアントには日本語音声が実装済みとの事で、近い将来、日本でもβテストが実施されるものと思われます。

スマホ版「RAGNAROK Online」こと「仙境伝説」のオープンβテストが,2017年3月1日に中国でスタート - 4Gamer.net

「ラグナロクオンライン モバイル」 中国サービス開始にあわせて日本語音声が実装 - Kultur

FrontPage - ラグナロクモバイル(仙境传说RO) 日本非公式Wiki

個人的にスマートフォンはMMORPGをプレイするデバイスとしては不向きな気もするのですが、かといって、今の時代に多くの消費者にリーチするためにはスマートフォンへの対応は必須でしょう。
MMORPGのユーザーになり得る層というのは、比較的、自由な時間が多い人と想像ができます。考えられるのは大学生以下の年代でしょうか。大学生以下の年代をターゲットにするとなるとPC版ラグナロクオンラインは厳しいものがあると思います。ROはグラフィックもシステムも2000年代初頭に完成してから、根本的な部分は変化のないレガシーなゲームである事は否定できません。
MMORPGというジャンルのゲームは、ゲームをやっている間はすべての神経をゲームに集中する事を要求するので、通勤、通学の隙間時間に手軽にサービスを受けられるというスマートフォンの価値とは逆行するサービスである事は否めません。そうなるとラグナロクオンラインモバイルも苦戦が予想されますが、PC版ラグナロクオンラインに比べ、多くのユーザーにリーチできる為、成功する可能性はあるでしょう。開発元であるドリームスクエアもそこら辺の事情は分かっていると思うので、対策をすると思われます。スマートフォン向けのMMORPGには決定的なタイトルがまだ出てきていないので、上手くやれば、潜在的な需要を掘り起こせるかもしれません。
エミル・クロニクル・オンラインが8月31日にサービスを終えた事もあり、ここら辺の問題についてはあとで考察記事をまとめることを考えています。この問題は過去に何度か記事にしましたが、掘り下げても愉快な結論は出てきそうにない所が残念なのですが。
今回はここまでにします。それでは。