こんばんは。今回は視点を変えて、JROではなく、韓国のkROについて書こうと思います。
閲覧者の方々はご存知だと思いますが、ROはそもそも韓国のゲームメーカーであるグラビティが開発し、日本においてはガンホーがグラビティからライセンス契約を結び、サービスを展開しています。
ガンホーとグラビティの間には、色々とややこしい関係があるのですが、それについては、以前、考察記事を書いたので、今回は触れません。
もしご興味があれば、下記の記事やこのブログの「海外のRO」のカテゴリーの記事を御覧下さい。

ガンホーが運営するMMORPGであるエミル・クロニクル・オンラインのサービス終了が8月31日に迫っていることと日本のラグナロクオンラインの売上に関する考察 : RO Breidablik 日記(仮)

グラビティはROの開発元であると同時にサービスの提供者でもあり、韓国、北米、台湾・香港・マカオなどの地域で提供されるROはグラビティの直営です。
開発元がサービスの提供者を務めている関係上、ROのコンテンツは基本的にグラビティの直営のROで展開され、JROでの実装は遅れる傾向にあります。
kROで実装されたコンテンツやシステムをJROに実装するかは、ガンホーが日本での実情などを踏まえて、総合的に判断しているらしいです。ここの判断はJROの事業をどうしていくのか、という判断にもつながるので色々と難しいものがあるのでしょう。機械的にkROの実装を反映させるのが正しいとは言えないので、日本独自のローカライズも必要だと思います。
今年の1月に公開された「運営チームが語る2017年のラグナロクオンライン」でも語られていましたが、2015年以降、JROのアップデートの内容をガンホーのRO運営チームの裁量でローカライズする権限を持ったらしく、「Episode:Banquet For Heroes ~七王家とユミルの心臓~」のダークハンドなどの新装備の追加やニーヴエンチャントの日本独自のボリュームアップもJROの裁量で行われたという発言があります。
kROのコンテンツがJROに反映されるにしても、JRO運営チームの裁量でかなりのアレンジが施されているようです。
ただ、kROなどのグラビティ直営のROで実装されたコンテンツは将来のJROに実装される原型というべきもので、JROの今後を占う上でグラビティ直営のkROなどの動向は非常に重要です。
そこで、kROの事情を調べ、JROに将来的に影響を与えそうな情報を調べてみようと思い立ちました。
kRO公式Webサイトでお知らせの記事を調べてみた所、kROでは今年の8月1日にサーバ統合が行われたという興味深い情報を見つけました。
以下はkROの公式Webサイトとサーバ統合に関するお知らせ記事のリンクです。
余談ですが、海外のWebサイトを閲覧する際はブラウザにChromeを使えば、特別な操作無しに翻訳をしてくれるので非常に便利です。

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韓国語版Wikipediaのラグナロクオンラインのページによると、kROでは2009年のサーバ統合により、サラ、タナトス、ランドグリスの3つの有料サーバとバフォメットサーバという基本プレイ無料、アイテム課金制のサーバが1つ存在するらしいです。
今回、統合されたのは有料サーバです。サーバ統合が実施された背景はユーザーの減少が背景にあると思われます。
過去にも話題にしましたが、グラビティは米国のNASDAQに上場しており、株主向けにIRなどで事業の状況についての資料を公開しています。
グラビティが公開している年次報告書によると、2012年ぐらいにはkROのユーザーも1万人を超えていたようですが、2016年度のkROのユーザー数はピーク時で5000人程度らしいです。
ただ、kROの過去のユーザー数については年次報告書でも時期によってばらつきが大きく、どの数字が正しいのか分かりにくい面があります。しかし、2016年は5000人前後で推移していると見て、間違いがないと思われます。
5000人という数字はkROのサービス全体での数字ですが、kROでは2008年の時点で基本プレイ無料のサーバが開設されて以来、ユーザーの7割近くが基本プレイ無料のサーバに集中しているらしいので、この状況が現在も変わっていないとすると、5000人の内、3500人はバフォメットサーバにいるという推測が成り立ちます。

韓国Gravity、「ラグナロクオンライン」に月額無料サーバーがオープン

一次資料を直接確認したわけではないので、上記の数字は完全な憶測です。しかし、基本プレイ無料のサーバが2008年からあるのなら、現在もそこにユーザーが集中しているだろうというのは、如何にもありそうな話ではあります。
JROでBreidablikサーバが最大の人口を持つようになったのも、期間限定の無料ワールドとしてサーバを開設し、ユーザーを集めた上で通常ワールドにしたという経緯があるからです。無料と有料のサーバがあるのなら、無料の方に人が集まるのは自然な流れではないかと思います。
恐らく、有料サーバをプレイしていると思われるユーザーを均等に割ったとして、1サーバ辺り500人が上限でしょうから(成人専用のサーバがある為、有料サーバでもそこだけは人数が多い様です)、サーバ統合に踏み切った理由は、そういう事情があるのではないかと推測しています。
2017年4月のユーザー懇親会Q&Aという記事でも過疎化による不便を解決する為のサーバ統合を求める声が紹介されているので、サーバによってはゲーム内社会が成り立たなくなるレベルで過疎化が進んでいた可能性があります。

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kROがどうあろうが、JROには直接は関係ないと思われる方もいるでしょうが、ラグナロクオンラインの仕様の変更やコンテンツの追加はグラビティ直営であるkROやiRO(北米)に反映され、その中からガンホーとの協議の上、少し遅れてJROにも反映されるというパターンが続いているので、kROの事情には個人的に注目しています。
余談になりますが、頭装備やセカンドコスチュームの実装は日本が先行しているらしく、kRO運営チームとユーザーとの質疑応答でも、ユーザーから不満が表明されています。
こういった事情に関して、kRO運営チームの返答や韓国語のゲームサイトのWikiなどは日本と韓国のユーザーのコンテンツの消費スタイルや消費速度の速さの違いに理由を求めています。
ガンホーも意味もなくセカンドコスチュームや頭装備を追加させているわけではないでしょうから、これらの衣装装備の売上が意外と馬鹿にできない金額になるのだろうか、と個人的に推測しました。
コスたまも1ヶ月に1回、継続的に追加されているのも相応の理由がありそうです。

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kRO公式のお知らせ欄やその他のページを漁ってみるだけで、色々と面白い情報が見つかるようです。特にお知らせ欄の中でも開発者ノートと呼ばれる項目には、ユーザーとの質疑応答や今後の仕様の改善案などが列挙されています。
今後もkROとグラビティの動向を調べつつ、何か面白い情報があれば記事にしていこうと考えております。攻城戦に関してもユーザーからの質疑応答が公開されているので、今後、そういった方面に手を広げる事も検討しています。
グラビティ直営のROはkRO以外に北米で展開されているiROなどもあるので、そちらについても調べて見ると意外な事実が分かるかもしれないと思っています。
今回はここまでにします。それでは。